チンタイム

Web漫画家丸本チンタのつぶやき

僕ってロスジェネ世代?

もう新型コロナの話なんてうんざりだ、そう感じている人もいるかとは思いますが、昨日のブログ記事で「もう新型コロナの話題にはなるべくふれない」と言ったにもかかわらず、気づいたことがあったので、今日も新型コロナの話になります。少しおつきあいください。

 

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・43歳の僕はロスジェネ世代か

「過度な自粛を継続させると経済ダメージによって、コロナによる死者数より多くの死者が出ることになるのではないか」というような趣旨の投稿をして盛大に叩かれた、そしてそれを批判してきた人たちとDMでやりとりをしたという記事は昨日のブログで書きました。

chintime.hatenablog.com

そういった方たちとのやりとりは平行線で、わかりあえるものではありませんでした。

 

僕としては新型コロナによる死も不況による自殺も同じ死であって、やはり最終的に死者数が少なくなりそうな道があるのであれば、そちらを選ぶべきという考えが間違っているとは思えないし、また単純な話なのに、それが向こうに伝わらないのが不思議でならなかったんですけど、昨日ブログを書き上げた後一晩考えて気づいたことがありました。

 

最後にやりとりした人が新型コロナ感染者を受け入れている病院の看護師さんで、その方とのやりとりを振り返ることでの気づきです。

 

新型コロナは目の前に差し迫った誰にでも当てはまる脅威だけど、不況による自殺は後からくるもので、こちらは数がどれだけ膨らもうが誰にでも当てはまる脅威ではないということです。裕福な人や、どんなに貧乏になっても自分は自殺はしない!と考えている人からすれば、自殺は自己選択であるし、関係の薄い、感染症による死とはまた違った捉え方になってしまうのかなと。

 

新型コロナ感染によって死亡リスクの高い高齢者、何かしらの疾患をお持ちの方、まさに新型コロナに感染中の方、そしてその関係者の方たちからすれば、目の前にすでに危機が迫っているのだから、後の問題は後で考えてくれ!となっても無理はありません。

 

新型コロナ感染拡大で医療崩壊が叫ばれる中、最前線で体を張って頑張ってくださっている医療従事者の方々も同じです。看護師の方からは、「医師も人間です!」「娘のもっちゃん(僕の娘)が感染したと考えてください!」と言われました。

 

それでも僕は間違ったことは言っていないと思いますけど、今まさに新型コロナと戦っている人たちがいる最中に、イラストレーターごときが言ってはいけない内容だったなと納得しました。

 

うちの家族の立場も考えてみました。

 

うちの嫁さんは会社勤めです。緊急事態宣言下の大阪で今でも地下鉄に乗って毎日通勤していて、比較的新型コロナに感染しやすい家族だと思います。医療関係者の比ではないとは思いますが。家族内で「もし感染したら・・・」という話はもちろんします。なので新型コロナの致死率や感染力なども実際どれぐらいのものかということを調べたんです。

 

収入面で今のところ新型コロナによる影響はありません。でも、この先経済が崩壊すれば、どういう影響があるかはわかりません。僕はどんなことがあっても自殺はしないだろうと自分では思っていますが、貯蓄がたくさんあるお金持ちではないですし、立場上は新型コロナの脅威も不況による影響も同じように考えられる立場なんですね。

 

さらに、そういう方向で考えてみたら、僕って俗に言うロスジェネ世代なんじゃないかなということにハッとしました。

 

ロスト・ジェネレーション。失われた世代。日本で言うところのそれを簡単に説明すると、1970年~1982年頃に生まれた世代で、バブル崩壊後から約10年間の景気の悪い厳しい期間に就職活動をした人たちのこと、となるでしょうか。

 

僕は大した学歴もなく高卒で適当に就職したので、自分がロスジェネ世代ということは意識したことはなかったですけど、バブル崩壊後の日本の不況を肌で感じた世代なんですね。

 

思い返してみれば、僕の父親の勤めていた会社は僕が高校に入学する直前に潰れ、父は自殺こそしませんでしたけど、そこから60歳で癌で死ぬまでグダグダの人生でした。

 

僕が漫画家を目指すのに躊躇がなかったのは、会社に勤めたからといって安定というイメージがなかったからで、それは父の会社が倒産したことの体験からくるものでした。

 

中学のとき、レストランを経営していたお父さんが借金を残したまま自殺したという女の子の友だちなんかも普通にいました。

 

不況による自殺というのがウイルスによる死と同等と感じられる背景が僕の人生にはあったんだなと感じます。

 

今は医療現場が厳しいのでそれを緩和すべく、不要不急の外出は控え、感染予防をしっかりしてウイルスを拡散させないよう努めます。

 

でも、過度な自粛をどこまで続けるのか。1ヶ月頑張れば新型コロナが消えて無くなるように考えている人もいるかもしれませんが、たぶんそうはなりません。都市封鎖を解除すればまた感染者は増えるでしょう。その度に都市封鎖・・・?

 

新型コロナが収束するまでには1年かかると予想する人がいます。

 

「外出自粛は断続的に2022年まで必要」と米ハーバード大学は予測。

 

東大放射線科医の前田恵理子さんは、新型コロナ収束は10年仕事だと考えている。そしてコロナ収束後はものすごい格差社会が待っていると。

 

できればそういった予想は全部外れて、案外早くにコロナ収束したねって言える未来が待っていてほしいですが・・・

 

100年ほど前に発生したのであれば、それなりの死者を出し比較的短期間で収束したであろうウイルス。

 

自分たちが向かう未来を、一人一人に考えてほしいと僕は思います。 

 

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