３冊目の書籍となる「さよなら もっちゃん」を制作中です。
過去の書籍に関してはプロフィールでご確認ください✋
・出す予定はまったくなかった
３冊目の書籍と言っても今回は過去２冊の書籍と違い、出版社を通さずに無料配布する電子書籍です。紙の本はありません。
過去２冊の書籍がともに売れなかったので(とは言ってもありがたいことに各書籍3000部〜4000部は売れている・初版は共に7000部）、３冊目はまず出せないし、仮に依頼があっても作らない、２冊目の書籍を出した直後はそう考えていました。
過去に出した漫画を中心にまとめるWeb漫画書籍とはいえ描き下ろしも必要ですし、書籍制作はたいへんな作業になります。
２冊目の「おひさま もっちゃん」は100ページもの描き下ろしを入れました。しばらくの間他のイラストの依頼をすべてストップして取り組んだので、月の収益は制作中には４万円ぐらいに落ち込みました。Web漫画の書籍には通常原稿料がありません。カバーイラストもです。一番苦しい時に収入がほとんどなく苦しかったです。それでも本が売れればいいですが、結果は先ほど述べたとおりです。
そして育児系エッセイ漫画は子供が小さい頃の方が人気があります。３冊目となると、僕の場合娘が小学生に突入するので、育児エッセイ漫画としてはやや旬が過ぎた状態です。一番好調な時に出した本に重版がかからないのですから３冊目の書籍の結果は見えています。２冊目を出した時にはあった希望さえありません。
というわけで、３冊目書籍の出版はまったく考えていなかったんです。
しばらくして別の出版社の編集さんから打診がありました。
３冊目書籍の出版はまったく考えていなかったのに、バカなのでうれしくなって前向きに検討しました。本の売り上げなどに関する情報は、出版社の垣根を超えて編集の人は確認しているものです。売れない本を２冊も出していることを知った上で声をかけてくれたということは、その編集さんは僕の漫画を評価してくれているということなので、それはやる気が出ます。クリエイターというのは単純で、やはりお金のことも考えますけど、一番心が動くのは「あなたの作品が好きです」という気持ちです。
そこで、３冊目を出すにあたって少しでも売れるまとめ方をするとなると「さよなら もっちゃん」しかないと考えました。奇をてらって特殊な設定でくくるよりも、これまで僕の漫画を見てくれた人全員が気になる、そして納得してくれる内容にしようと思ったわけです。
しかし、編集会議で僕の書籍の企画は通りませんでした。
まあ無理もありません。通常１巻より売れる２巻はないし、２巻より売れる３巻もあまりないと思います。
幻となった３冊目の書籍の企画、最近だとAmazonのKindleなどで、電子書籍であれば自分で出版することが可能です。出版社から出版するよりも印税率も７倍です。
出版社からの出版だと宣伝もしてもらえますが、自分で出すとなれば自分のみのPRとなります。予想して計算してみましたが、1000円の値をつけた場合、1000部も売れるという気がしません。ちなみに500円で出しても1000部いかないと思います。
そうなってくると、仕事としては到底なりたたなくなるので、３冊目の書籍制作はやはり中止という形になっていました。
それがなぜ今また制作するということになったかというと、AmazonのKindleインディーズが立ち上がったからです。
Kindleインディーズには報奨金制度があり、無料で出版された電子書籍がどれだけ読まれたかによって作者に分配金が支払われる仕組みがあります。Amazonがそれをいつまで続けるかはわかりますんが(２０１９年いっぱいまでは続くことが現段階で確定している）、おもしろいなと思いました。
有料で売れなくても無料だったらどうだろう。ダウンロードしてくれる人もいるかもしれない。
書籍にするだけの分量の漫画は貯まっているし、僕の漫画をまだ見たいと言ってくれている人もいるし、希望はあるなと感じて、３冊目となるエッセイコミックをAmazonのKindleインディーズで出すことにしました。まだ僕の漫画を見たことのない人にもアプローチできるチャンスもあります。
分配金なのでどれほどの収益があるかまったくわからないということもあって(めっちゃ人気のある漫画と出版の時期がかぶったら収益がガクっと減る）、本の細かいデザインなど、個人では時間的にカバーしきれないものもありますけど、〝編集者が入らなければこんなものか〟と思われる作品にはしたくないので頑張って制作しています。
８月は他のイラストの仕事も少しあって、できればYouTube動画もアップしたいですが、書籍の作業に注力します。
「さよなら もっちゃん」、ご期待ください！
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